2009年 01月 12日
時が流れ、若さが息吹く |
ゲーテの戯曲「ファウスト」には、死に怯える老教授ファウストが登場する。
ファウストは悪魔メフィストフェレスと契約し若さを得るが、
新しい人生に満足した時に契約は満了し、魂は悪魔のものとなる。
不老不死は人類最後の夢だ。
人は老衰で死ぬ、こればかりは過去に例外はない。
そして人の体は、加齢と共に老いを身にまとう。
不死はともかく、不老については実現の糸口が発見されたようだ。
2009年1月、米国スタンフォード大学で、
細胞の老化を防止するタンパク質と、老化を進めるタンパク質が発見された。
実験では、老化防止を阻害した若いネズミと、
老化進行を阻害した年老いたネズミで比較実験したところ、
若いネズミは急速に老化して4週間後には死んでしまったが、
年老いたネズミはかえって若返ったそうだ。
近い将来、老化抑止技術が完成するかも知れない。
だが、長い進化の歴史で、なぜ老化が生まれたのかに思いを馳せるべきではないか。
思うに老化と生殖は表裏一体であり、同時期に生じたシステムだと考えられる。
まさか、個体の老化の停止が、逆に種の繁殖力の停止を引き起こしはしまいか。
ファウストが人生に満足したことを告げる契約の言葉はあまりに有名だ。
「時よ止まれ、汝はあまりに美しい」
「老い」は、時の流れに打ち負かされた生命の姿ではなく、
生命が時の流れに打ち勝つための、唯一の武器なのではないだろうか?
ファウストは悪魔メフィストフェレスと契約し若さを得るが、
新しい人生に満足した時に契約は満了し、魂は悪魔のものとなる。
不老不死は人類最後の夢だ。
人は老衰で死ぬ、こればかりは過去に例外はない。
そして人の体は、加齢と共に老いを身にまとう。
不死はともかく、不老については実現の糸口が発見されたようだ。
2009年1月、米国スタンフォード大学で、
細胞の老化を防止するタンパク質と、老化を進めるタンパク質が発見された。
実験では、老化防止を阻害した若いネズミと、
老化進行を阻害した年老いたネズミで比較実験したところ、
若いネズミは急速に老化して4週間後には死んでしまったが、
年老いたネズミはかえって若返ったそうだ。
近い将来、老化抑止技術が完成するかも知れない。
だが、長い進化の歴史で、なぜ老化が生まれたのかに思いを馳せるべきではないか。
思うに老化と生殖は表裏一体であり、同時期に生じたシステムだと考えられる。
まさか、個体の老化の停止が、逆に種の繁殖力の停止を引き起こしはしまいか。
ファウストが人生に満足したことを告げる契約の言葉はあまりに有名だ。
「時よ止まれ、汝はあまりに美しい」
「老い」は、時の流れに打ち負かされた生命の姿ではなく、
生命が時の流れに打ち勝つための、唯一の武器なのではないだろうか?
by coolmoment
| 2009-01-12 00:00
| サイエンス