2008年 08月 10日
創造の前の破壊 |
福岡伸一さんの「生命と非生命のあいだ」が評判だったので一読してみた。
最新の分子生物学の卓見に目を開かれる思いがした。
福岡さんの筆の滑らかさによる部分が大きいのも確かだが、
なにより、ここで提示されている生命像に、大きなパラダイムシフトを感じる。
福岡さんによれば、生命とは動的平衡と呼ばれる現象であるとのこと。
生命は、自分を構成する分子を常に入れ替えており、
細胞が壊死する前に、自ら壊して、再生しているらしい。
生命にとって、とどまることは死ぬことだ。
止む事の無い外部からの刺激や影響に対しし、防御もさることながら、
むしろ先回りして分子を分解して作り直し、生命機構を保持している。
ミクロでの生命のそのような振る舞いと裏腹に、
マクロな動物の視点では生活圏の固着化が見られる。
それなりの環境変化が起こったとしても、だいたいが、
これまでの住処に安住したり、小手先の変化で凌ごうとするものだ。
サルがヒトになったのは、森林の縮退から樹上生活をあきらめ、
灼熱のサバンナに乗り出した事がきっかけだと聞いた。
環境変化への下手な適応より、未知の世界に踏み出したご先祖様の判断に拍手を送りたい。
創造の前に、破壊すること、これこそが生命の本質らしい。
「もっとも大切なことをやめないと新しい展開は拓けない。」
梅田望夫
最新の分子生物学の卓見に目を開かれる思いがした。
福岡さんの筆の滑らかさによる部分が大きいのも確かだが、
なにより、ここで提示されている生命像に、大きなパラダイムシフトを感じる。
福岡さんによれば、生命とは動的平衡と呼ばれる現象であるとのこと。
生命は、自分を構成する分子を常に入れ替えており、
細胞が壊死する前に、自ら壊して、再生しているらしい。
生命にとって、とどまることは死ぬことだ。
止む事の無い外部からの刺激や影響に対しし、防御もさることながら、
むしろ先回りして分子を分解して作り直し、生命機構を保持している。
ミクロでの生命のそのような振る舞いと裏腹に、
マクロな動物の視点では生活圏の固着化が見られる。
それなりの環境変化が起こったとしても、だいたいが、
これまでの住処に安住したり、小手先の変化で凌ごうとするものだ。
サルがヒトになったのは、森林の縮退から樹上生活をあきらめ、
灼熱のサバンナに乗り出した事がきっかけだと聞いた。
環境変化への下手な適応より、未知の世界に踏み出したご先祖様の判断に拍手を送りたい。
創造の前に、破壊すること、これこそが生命の本質らしい。
「もっとも大切なことをやめないと新しい展開は拓けない。」
梅田望夫
by coolmoment
| 2008-08-10 17:33
| サイエンス