2008年 11月 24日
充たされた段ボール箱 |
半村良さんの作品に、「ボール箱」という短編小説がある。
なんというか奇妙な話で、蜜柑を詰める段ボール箱が主人公だ。
彼は工場で生まれた瞬間から、体の中を何かで満たされたかった。
やがて蜜柑で体の中を一杯にされると、幸福に包まれた。
その後、子供のおもちゃ箱として、積み木やプラモデルを詰めたり、
中に子供を乗せて引きずられる遊び道具にされたり、平凡な生涯を送った。
だが、クライマックスは人生最後の瞬間に訪れた。
風で公園の池に落ち込み、体が溶けようとしていたその時。
水が液体である故に、体の隅々まで隙間無く埋め尽くされたのだ。
彼は薄れる意識の中で、最高の悦楽を感じていた。
段ボール箱は、何かを体に詰めるために生まれた。
それが本能であり、快楽でもあった。
ボクが心から幸せに浸れるのは、どんな時なのだろう?
果たして、その幸せに向かって、日々、人生を使えているのだろうか?
なんというか奇妙な話で、蜜柑を詰める段ボール箱が主人公だ。
彼は工場で生まれた瞬間から、体の中を何かで満たされたかった。
やがて蜜柑で体の中を一杯にされると、幸福に包まれた。
その後、子供のおもちゃ箱として、積み木やプラモデルを詰めたり、
中に子供を乗せて引きずられる遊び道具にされたり、平凡な生涯を送った。
だが、クライマックスは人生最後の瞬間に訪れた。
風で公園の池に落ち込み、体が溶けようとしていたその時。
水が液体である故に、体の隅々まで隙間無く埋め尽くされたのだ。
彼は薄れる意識の中で、最高の悦楽を感じていた。
段ボール箱は、何かを体に詰めるために生まれた。
それが本能であり、快楽でもあった。
ボクが心から幸せに浸れるのは、どんな時なのだろう?
果たして、その幸せに向かって、日々、人生を使えているのだろうか?
by coolmoment
| 2008-11-24 17:55
| 人生